副所長メッセージ

高木 聖久

通訳案内士の皆さん、資格を持っているということだけで安心してしまっていませんか?
観光地のご案内をきちんとやれば大丈夫だと思っていませんか? 通訳案内士にツアー案内を頼むお客様は何を望んでいらっしゃるのでしょうか?

通訳案内士は、政治、経済、芸術、歴史、気候、宗教などなど、我が国の文化を構成する様々なアスペクトを理解し、クライアントとのコミュニケーションを通じて我が国の文化への理解を深めてもらうことで高い時点の満足を実現することが重要です。

クライアントの自国にないエキゾチックさを点として面白がってもらうのでなく、それを構成する要素を理解してもらい、線としてあるいは面として理解してもらい、我が国のファンになってもらうことこそ通訳案内士の仕事のだいご味でしょう。

この研究所では、様々な分科会や研究会を通じて参加者相互で我が国の文化を構成するバックグランドは何かを議論したり、英語のスキルを高めたりすることで、ワンアンドオンリーの通訳案内士になることを目指しています。
みなさんの積極的なご参加をお待ちします!

田村 憲司郎

我々通訳案内士は外国人訪問客に日本の観光を楽しんでもらうと同時に、彼らが知りたいと思っている日本の文化、人々の暮らし、また世界に誇るべき我々の精神性について理解してもらうことも大切な役割です。このためには資格取得後も高い志を持ち続け、研修・研究・実践に励むことが必須です。当研究所は会員による会員のための、独自の通訳案内士組織です。会員は各種分科会に所属し、自主的に学ぶことにより他では得られない幅広い知識を習得し、実践力・応用力を養い、より質の高い通訳案内士を目指します。また我々の資格が不当に侵害されることのないよう、監視・保護活動にも力を注ぎます。皆様の入会をお待ちしております。

鈴木 順治

6月21日の(参)内閣委員会で、総合特区法案の通訳案内士法の項が、可決成立しました。種々の附帯決議は付いていますが、通訳案内士の身分がますます不安定になっていく感は歪めません。世の中が、何でも「安くて、お手軽で」、の方向に走っており、近年の状況からこの業界も同様です。しかし真の実力のあるガイドは、時代が、状況がどう変わろうとその価値は不変です。こういう時こそ、案内士を守る組織を作り、案内士自身が幅広く自己のスキルを高める機会ではないでしょうか。先日ある分科会に参加し、所長の知念先生の、案内士を守る気概、すなわち「無償の行為」に対し大きな感銘を受けました。場所(教室)を提供し、参加者を指導していました。かような行為は現在の日本では考えられない事です。奮って組織を盛り上げていきたいものです。