会員メッセージ

正会員通訳案内士
田村啓一さん

1.まず分科会の概要をお知らせします。
開催日時と場所:水曜日午後19時から21時まで、富士アカデミー(四谷)
会の内容:毎回あらかじめ決められたテーマについて英語で討論をします。テーマは、日本文化のみならず古今東西にわたります。最近では、「日本の観光はこのままでよいか」、「日本人が英語を苦手とする理由はその文化にある」等々。出席者は、賛否両方の立場から意見を述べた後、最後に自分の本当の意見を披露します。日本語は禁止です。終了後次週までに、出来る限り感想文を提出します。

2.分科会に参加して感じていることは次のとおりです。
小生が通訳案内士の資格を目指した最大の理由は、英語と日本文化の両方を学ぶ楽しさに大きな魅力を感じたことにあります。この勉強は試験に合格した途端に終了するものでなく、一層の深化を目指して継続的な努力(できれば楽しみながら)をすることが必要と考えていました。この分科会はその貴重な機会になっていること、また富士アカデミーの仲間と一緒に楽しく学べることにも大きな意義を感じています。知念先生の知識と熱意には毎回敬服と感謝をしています。結構たいへんですが、最近は少しずつ自分なりの手ごたえを感じる様になってきました。一つのテーマについて、賛否両方から意見を述べることで幅広い考え方を集約的に習得するチャンスになります。それが、自身の本当の意見を言うことにつながっていくわけです。それと、テーマがいつも古今東西の興味深いものが選ばれていますから、予習することに知的好奇心が満足されるという側面もありますね。

正会員通訳案内士
岩渕雅孝さん

「知念分科会について」

1.東北大地震のあと、3ヶ月後位に始まった「知念分科会」もこの2月末で75回となりました。
2.祝日と重なる日以外は毎週開催される「知念分科会」は私にとっては「知念文化」会の思いです。
3.その魅力は、参加者は全員、「通訳案内士」の資格を持ち、現役ガイドとして活躍しておられる方や主婦業で一時休んでいる方、見習い中の方、が一同に集まり、寺子屋形式で2時間、英語での時間を過ごすことにあります。
4.人生経験がさまざまでその一端に触れることも出来、また英語のプレゼンテーションで言葉がでなかったり、間違えて言った時なども、知念先生がすかさずフォローして頂き、本当に勉強になります。

5.形式は最初の1時間でAffirmative side と Negative sideにグループが別れ、それぞれの立場でまず、PresentationとしてAffirmative side から自分の主張を簡潔明瞭に述べます。それが終わるとQuestion Timeがあり、この時は相手がYes Noで答えられる程度の応答になります。
次に、Negative side よりPresentationがあり、その後、同様のQuestion Timeがあります。それが終わると、ハイライトのDiscussion timeに入ります。相手の不備な点、不十分な点、矛盾した点を突き、自説を主張する訳です。この議論が終わるとAffirmative side 、Negative sideそれぞれ議論を踏まえ、Constructive (Conclusive)Speechを行って前半の1時間を終了します。
2分間の休憩の後、攻守、立場を替え、Affirmative sideの人はNegative sideへ、と変ります。この頭の切り替えがうまくいかないと自分で混乱してしまい、うまく議論が運べなくなります。最後に自分の本音を話す時間があり、2時間のDebate Timeは終了します。

6.学生時代のDebateと少し形式は違いますが(RebuttalやCounter argument等はDiscussion Timeでまとめて行う。本音を披露する時間がある点等)、狙いは西洋的なロジックを身につけ柔軟な発想を養う点にあります。

7.もう一つ特筆すべきことは、知念先生が選ばれるテーマです。常に日本文化が根底にあり、デベートの準備で新しい発見があり、議論の中で再認識され、英語でしゃべることでさらに確かなものになります。歴代の天皇が和歌に親しんでいることや、日本人独特のこころくばり、最近では、「判官びいき」の話から、これのもとになった「吾妻鏡」が「梶原景時を悪者にし、その景時を重用して義経を死に追いやったとして読者が頼朝を批判するようになるという極めて高度なテクニックを使い、源氏をないがしろにした北条氏の正当性を込めたもの」との話や、「奥の細道」の松尾芭蕉が熱烈な義経ファンで、「奥の細道」は彼の足跡を辿った面が大いにあるとの話で、平泉のそばの一関で育った私としては目から鱗の思いでした。

8.デベートの後のコメントを和文でも英文でも後でリポートするのが義務となっていますが、初めは和文で、そのうち、英文での気持ちで臨んでみられたら、それほど負担にはならないと思います。とはいえ、1週間はあっという間に過ぎ、追い立てられていますが、何か記録に残す気持ちで踏ん張っています。

9.以上ながながと述べてまいりましたが、普段の中では得られない体験が知念先生と共有できるだけでも幸せと思い、合格した皆さんにもこの機会是非、ご参加をお勧めする次第です。